今日も夜店のりんご飴

20代の女の日常とか。

単純なもの同士。

週末の話。

この前の休みは、群青さんちの洗濯と掃除で1日の大半が終わった。家事充。
私が休みで群青さんが仕事だったので、こういう日はよほど天気が悪くない限り掃除をする。
群青さんの部屋を、もう徹底的に。

群青さんちは汚い。ザ・男の一人暮らし、って感じ。
初めて家に誘われたとき、「うち散らかってるよ」と言われたけど、
社交辞令でもなんでもなく、その通りだった。
自分から誘うなら掃除機くらいかけとけよ、って思った。言えなかったけど。

早々に耐えかねて、行く度にちょこちょこ掃除したり、ご飯も作るようになった。
こういうの、お母さんみたいでよくない、って言われたりするけど。
部屋でごろごろするし(私達はホントよく寝てる)、
さあいよいよってときにも埃が髪とか服とかにつくの気になる方が死活問題。
群青さんがきれいにすれば済むし、私も最初は少し期待したけど、
最早注意して直るようなレベルじゃなかった。

とにかく致命的に片付けができない。
だから、ご飯も作るのはともかく片付けらんないから作らない。
洗濯はするけど干しっぱなし。

そんなだから、高熱で倒れたときにお見舞い行ったら、
部屋にカップ麺が転がってた。
この人、果物とかお粥とか、消化にいいものを買うという発想がないんだ!
とわかって流石に危機感を覚えた。

こんなに心配したり、やきもきするくらいなら、
私の思い通りに掃除なり料理なりした方が、よっぽどお互いのためだ!と思って、
お願いだからやらせて!と頼んだ。
最初は、そんなこと申し訳ないよ、って渋られたけど、
掃除してご飯作って待ってたいなー(^_^)
みたいなこと言ったらあっさり陥落。
単純だけど、妄想させること、大事。

ただ、よく彼女がご飯作ってあげるよ!って言って、
その場で手料理をご馳走、っていうのは、
相手の男がそこそこ自炊する人限定なんだと思い知った。

群青さんち、食器はお茶碗1膳と大皿が1枚あるだけで、
お椀も小皿もメインとかスープを入れるような器も、何もなかった。
辛うじて、全く使ってなくてきれいなフライパンと炊飯器はあった。
食材がないのはともかく、調味料の類も皆無。
一人暮らし長いとはいえ、自炊しないってこういうことかーorz
ってがくーっとした。
だから、作る度に必要なものを少しずつ買って行って揃えた。
各種食材も買うわけだから、しばらくは毎回大荷物だった。


それで今に至る。おかげさまでそこそこ快適。
でも、通い妻みたいなことをやっていながら、
私は何かの世話をするのは元々あまり好きじゃない。
通知表の「思いやりがある」「生物などの世話が好き」の欄に◯がついたことはないし。
人付き合いも正直苦手な方だし、あまり他人に興味がなくて面倒くさがり。

だから、自分のことは自分でしっかりできる人を好きになるのだと思ってた。
群青さんが片付けられない人だって知ってたのに、
急に「構いたい」って思って好きになったの、なぜだか未だにわからない。
今は好きだから構いたいけど、
当時は恋愛感情なんてこれっぽっちもなかったから。

今、ご飯作りも掃除も洗濯も不思議と、
相手のためを思って、とか、やってあげてる、という感覚はあまりない。
やりたいからやる、じゃないと私は趣味も仕事も何でも続かない。
純粋に誰かのためとか、できない。

群青さんが、自分のことを大切にしないのがいや。
身体も今は丈夫でも、これから先どうなるかわかんないし。
私が一番大切にしたい人が大切にされてないの、見たくない。

あと、群青さんは私を止めないかわりに、
私が家事するのが当然と思ったりもしない。
お礼はともかく、ごめんの数が多くて注意したことがあるくらい。
謝られることないよーって言ったら、外出するときに私に費用を出させてくれなくなった。
軽く抗議したら、これは自分ルールにしたから譲らないって言われた。
図らずもギブアンドテイク。

無償の愛じゃなくてもいいのかなー。
見返りは求めないけど、ありがとーって言われたら嬉しい。
美味しくご飯が食べられるよう、うまくまわっていればいい。
結局私も、単純。