今日も夜店のりんご飴

20代の女の日常とか。

秋の感情

土曜は仕事帰りに群青さんと夕方から会った。
と言っても、ちょっと出かけて夕飯食べただけで、数時間で終了。
日曜は朝から一日休日出勤だって言うから、泊まりもなし。
 
よって、珍しく休日オールフリーで引きこもり。
フリーと言いつつ、持ち帰った仕事をする。
普段は持ち帰りになんか絶対しないけど(家で仕事する気が起きないから)、
急に仕上げなきゃいけなくなったのがあったのでやむなく。
午後からだらだら、夜に集中したら一本終わった!
 
 よっしゃーもう寝ていいよね!寝るぞー!ってベッド行ったら、
なんか、久々にものすごく寂しくなってしまった。
 
 秋の夜の、暗くて涼しくてちょっと湿気がある、切なかったり悲しくなったりするあの気持ち。
群青さんに、全力で恋していたあのときの気持ちが、なぜかぶわーっと襲ってきた。
 
 
 
 私と群青さんは2年前、秋も深まる頃、付き合い始めた。
 
最初は完全に片思いで、私は追いかけることに必死。
今思い出すと顔から火が出るくらいみっともなかったけど、大真面目に追っかけてた。
なんせ、恋愛なんて久しぶりだったから。
自分から誰かを好きになるなんて、大人になってから全然できなかったから、
人を好きになったのが嬉しすぎて、駆け引きとかできないくらい。
たぶん今時の中高学生とかの方がうまくやってるよっていうじたばたぶりだった。
でもそれが、楽しかった。
 
付き合うことになる約2ヶ月前、秋の始まり、諦めようかなーと凹んでた。
単純に、反応が冷たかったから。
好きになって半年くらい経ってたし、もうさっさと諦めて次いかないと!って時期だと思った。
 
でもやっぱり好きで、じたばたしてた。
実際には怖くなってしまって、何もできなかったけど。
それから、まぁ付き合ってもいいかなって思ったのだろう群青さんは、遊びに行った日に交際の確認をしてきた。
今でこそ群青さんは好き好き言いまくるけど、絶対そのときは私のことそんなに好きじゃなかった。
だからしばらくは、群青さんのこと、全然信じてなかった。
 
 それから無事付き合うようになり、盛大にデレる人となった群青さん。
 
去年の秋、群青さんの過去の話を聞いた。
群青さんは話し終えた後、過去のことって気にするか聞いてきた。
私は、「全然、平気だし、あんまり気にならない!」って言った。
聞いた直後は、それが本心だった。
けど、翌日からしばらくどん底だった。
 
詳細は省くけど、群青さんが悪いことは何もなくて、ほとんどは私の独占欲のせい。
誰かを好きになることが、その誰かや、誰かを好きな別の人を悲しくさせることってあるんだな、と思った。
過去のことなんか、気にしても仕方ないんだけど。
でも未だにその話を思い出すと、悲しくなる。
 
 
秋は、四季の中で一番好き。
でも、群青さんとの関わりの中では、悲しい気持ちがたくさんある。
 
 
最近、群青さんがいるのが当たり前で、安心しすぎてしまって、
最初みたいに、すごく好きだなあと思う気持ちとか、
大事に大事にしたいなあという気持ちが薄れていた。
決して、なくなったわけではないし、頭ではわかっているけれど、気持ちがついていかないというか。
いるだけで十分なのに、それだけじゃやだ、って思ってる。
欲張りになって、他の人に目移りしたり、群青さんとのこれから、考えてしまったり。
 
だから、寂しくなったのが、ちょっと嬉しくもあった。
悲しいとか寂しいとかは、そんなに悪いことではない。
ずっと恋をしていたら疲れてしまうけど、忘れたくない気持ちってある。
満たされない悲しみは、満たされると薄れるけど、留めておきたいものも薄れるみたい。
相手に冷めかけたら距離をおきましょう、っていう恋愛マニュアル?も、
そういう気持ちを呼び起こすためなのかなーと思う。
 
次会ったときは、せいぜい頭わしゃわしゃーってして、いっぱいくっつこう。秋だし。